
TED Talkを英語学習の教材として使ってみたいという人は多いと思います。特に中級以上の英語学習者には、TED Talkを観たことがある人や実際に教材として使ったことがある人もいるのではないでしょうか?
でも、いざ使ってみようと思っても、どうやって学習したらいいかわからない、使ってみたけど効果が実感できないということもあると思います。私も、TED Talkはたまに観るだけで、使いこなしているとは言い難い状況でした。
ところが、第二言語習得論に基づく科学的な英語学習法にTED Talkを取り入れたところ、思いのほか効果を実感できました。
そこで、自分自身の復習を兼ねて、具体的な学習方法となぜ効果的なのかを紹介します。
中級以上の英語学習者で、教科書以外の素材を使って学習したい人には超おすすめですよ。
TED Talkとは?
TEDとは、Technology Entertainment Designの略で、テクノロジー、エンターテインメント、デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう世界的な講演会です。
そして、TED Talksは「ideas worth spreading(広める価値のあるアイデア)」というスローガンのもと、TEDの講演会の動画をインターネット上で無料配信するプロジェクトです。
基本的には、世界の共通語としての英語でプレゼンテーションが行われるので、英語学習者の間では、無料で使える英語教材として人気が高く、多くの人に活用されています。
第二言語習得論に基づく科学的なオンライン英語トレーニング「スパトレ(SPTR)」×「TED Talk」
私が利用しているオンライン英語トレーニング「スパトレ(SPTR)」では、「TED Talk」を使ったレッスンを受けることができます。
スパトレ(SPTR)は、第二言語習得論、認知心理学、脳科学の最新の研究結果を活用して、科学的な英語学習をオンラインで行なうことができる新しいサービスです。
※スパトレ(SPTR)に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。
◎7日間無料◎第二言語習得論に基づく英語トレーニングこのスパトレ(SPTR)では、英語を学ぶ目的やレベルに応じて、約90種類の市販教材やオリジナル教材から最適なものを選んでトレーニングを行なうことができます。
「TED Talk」は、オリジナル教材の中の一つです。
この教材では、TED Talkを活用して、第二言語習得論に基づく科学的なトレーニングを繰り返すことで、英語のディスカッション力を高めていきます。
TED Talkを教材として活用し、科学的にトレーニングできる英会話スクールやオンライン英会話などはほかにはないと思います。
スパトレ(SPTR)のTED Talkを使ったトレーニングは、中級〜上級の英語学習者にオススメです。
基本的なトレーニングの流れは、予習(事前準備)→オンラインレッスン→復習となります。
【予習(事前準備)】
TED Talkの動画を視聴し、内容がわからなければスクリプトを確認して理解します。不明な語句や用法は調べておきます。
【オンラインレッスン】
最初に単語の意味を確認し、次にTED Talkのプレゼンテーションの内容がどれくらい理解できているかを試す質疑応答、最後にプレゼンテーションの内容の要約という構成で行います。
もちろんトレーナーとの会話はすべて英語で行います。
実際にやってみるとわかりますが、英単語の意味を英語で説明するのは結構難しいです。
人にわかりやすく説明するためには、まず自分自身が単語の意味を正しく理解する必要があります。
その上で、同義語で言い換える、英英辞典の定義を使って説明する、例文を使って説明するなど、どの方法が最も適切かを判断して、わかりやすく伝わるように工夫しなければなりません。
難易度は高いですが、単語帳で無理矢理詰め込むより、はるかに実践的な方法でボキャビルすることができますよ。
また、質疑応答や要約は、TED Talkの動画の中で使われている表現をなるべく多く活用しながら、幅広い表現で答えるのがポイントです。
25分のオンラインレッスンはめちゃめちゃ密度が濃いです。予習をしっかりとやっておかないと太刀打ちできません。
でもその分、しっかり事前準備してレッスンに臨めば、着実に英語力を伸ばすことができるでしょう。
なぜなら、第二言語習得論の研究結果からみて、事前準備でインプットしたことをオンラインレッスンでアウトプットするトレーニングは、英語力を身につけるための効果的な学習方法だからです。
【復習】
毎回オンラインレッスンが終了すると、トレーナーから良かった点や改善ポイントをフィードバックしてもらえます。
また、レッスンの様子を録画した動画を1か月視聴することができます。
トレーナーからのフィードバックを参考にしながら、レッスンの動画を見て復習しましょう。
各回のオンラインレッスンの冒頭では、前回学習した単語の理解度チェックがあります。少なくとも単語の意味を英語で説明できるように復習しておいてください。
また、トレーナーが単語の意味を英語で言って、その意味をもつ英単語は何か答えるという逆パターンの質問もあります。
どちらのパターンで質問されても答えられるようになったら、英単語の定着率も相当上がるでしょう。
TED Talk「世界の画像を繋ぐPhotosynth」を使った英語学習法
ここからは、TED Talkを使ったスパトレ(SPTR)のトレーニング方法について、具体的に紹介します。
第1回のプレゼンテーションは、「世界の画像を繋ぐPhotoSynth(原題:How PhotoSynth can connect the world’s images)」です。
プレゼンテーターはどんな人?
プレゼンテーターのブレイス・アグエラ・ヤルカスは、ITビッグ5のマイクロソフトやグーグルで活躍してきた世界的なソフトウェアアーキテクト(設計者)です。
このプレゼンテーションを行った2007年当時は、マイクロソフトでワシントン大学とのコラボレーションにより、PhotoSynthという画期的なソフトウェアを開発していました。
このソフトウェアの実演説明「世界の画像を繋ぐPhotoSynth」は、TEDの最も驚くべきプレゼンテーションの1つとして高く評価されています。
予習(事前準備)はしっかりしよう!
予習(事前準備)の方法は人それぞれですが、参考までに私のやり方を紹介します。
まず最初は、字幕なしで動画を視聴します。
聞き取れないところや意味が理解できない部分があってもあまり気にしないで、どんなことを話しているか概要をつかみます。
次に、スクリプトを読んで内容を理解します。この段階で意味のわからない単語は、ケンブリッジやロングマンのオンライン英英辞典などで調べます。
オンラインレッスンでは、単語の意味を理解しているかチェックされるので、英語で単語の意味を説明できるように準備します。
その後、再度、字幕なしで動画を視聴します。
第二言語習得論の第一人者 白井恭弘先生は、「一度リスニングした後、同じものをリーディングして、その後また同じものをリスニングする」という学習方法をおすすめしているので、私も実践しています。
でも、これだけでプレゼンテーションの内容に関する質問に答えたり、要約するのは難しいです。
そのため、理解が不十分なところは日本語の翻訳を参考にしたり、スクリプトを読み直したり、英語の字幕あり、字幕なしで動画を繰り返し視聴して理解を深めます。
レッスンの最初は単語テスト
オンラインレッスンの最初は単語テストです。
トレーナーから10個の英単語の意味を質問されますので、英語で答えます。
日本語の意味を知っている英単語でも、英語で意味を説明しようとすると簡単ではありません。
ここでは、私が予習で調べたり、レッスンの中でチェックした英単語を例示します。
ポイントは、その文脈の中でどんな意味になるかを考えることです。
ここにあげてある単語以外からも出題されるので、わからない単語は予習のときに調べてくださいね。
acquisition:the process of getting something
panning:to move slowly from one side to another or up and down
bleak:cold, cheerless, gloomy / If a place is bleak, it is empty, and not welcome or attractive.
inherently:essentially, innately
embedded:to put something firmly and deeply into something else
superimposed:place something above or on top of something else
geospatial:relating to information that identifies where particular features are on the earth’s surface, such as oceans and mountains
correspond:match, be parallel
panoramic:of a wide view in all directions
spatially:relating to the position, area, and size of things
punchline:the last part of a story or a joke that explains the meaning of what has happened previously or makes it funny
gratifying:satisfying, rewarding, giving pleasure or satisfaction
occluded:closed off, stop, block
emergent:rising out of / starting to exist or to become known
immensely:hugely, enormously, tremendously, greatly, immeasurably, limitlessly
semantic:connected with the meanings of words
プレゼンテーションの内容に関する質問に答えよう!
次のステップは、プレゼンテーションの内容の理解度チェックです。
トレーナーからプレゼンテーションの内容に関する質問を5つされるので、それぞれ英語で回答します。
何を質問されるかわからないので、予習していても答えるのは容易ではありません。
参考までに質問例を提示します。スクリプトを読んで、どのように回答するか考えて、英語で言えるように事前準備してください。
自力で取り組みたい人は、この部分は読み飛ばして、復習のときに読み返してください。
What does PhoteSynth mean?
What is the byproduct of PhotoSynth?
What can this breakthrough in technology benefit the people?
In your own opinion what is possible disadvantage of discovery?
What made these innovations truly incredible?
プレゼンテーションの内容を要約しよう!
最後は、プレゼンテーションの内容の要約です。
TED Talk「世界の画像を繋ぐPhotoSynth」の内容を要約して、英語で簡潔に説明します。
TED Talkに限りませんが、英語で読んだり、聴いたり、観たりしたものを、英語で要約するトレーニングは、英語で考える力、伝える力を伸ばす効果が期待できます。
参考までに、「世界の画像を繋ぐPhotoSynth」の内容を英語で要約するための例文ををいくつか紹介します。
This is a impressive demonstration of PhotoSynth, software that could transform the way we look at digital images.
Using still photos picked from the Web, PotoSynth builds breathtaking dreamscapes and lets us navigate them.
The speaker explained about a project called PhotoSynth.
That includes two different technologies.
One of them is Seadragon. It is an environment in which you can either locally or remotely interact with vast amounts of visual date.
The other is some very beautiful computer vision research done by the University of Washington and Microsoft, and this is live on the Web.
The speaker showed about the reconstruction of Norte Dame Cathedral, that was fully on the computer by using images taken.
We can do things with the social environment, that is taking the data from everybody, these images become all connected to each then result something.
復習はめちゃめちゃ大事ですよ!
オンラインレッスンの終了後には、トレーナーからフィードバックがあります。
私は、1回では十分理解できなかったので、少し期間を開けて、「世界の画像を繋ぐPhotoSynth」のレッスンを2回受けました。
私が、1回目のレッスンの後にもらったフィードバックは次のようなものです。
■1回目のフィードバックバック
【良かったポイント】
He has a lot of ideas to share.
He is trying his best to answer the question in a complete sentence.
【改善ポイント】
He has to work on her pronunciation the “r’ sound.
rの音の発音が課題ということですね。
2回目のレッスンを受けたトレーナーからは、次のようなフィードバックをもらいました。
■2回目のフィードバック
【良かったポイント】
energetic and asks questions willing to learn pays attention to every detail and tries to rectify the mistakes quick to answer
【改善ポイント】
to be able to explain points without inhibitions fluency
躊躇なく流暢にポイントを説明できるようになるのは簡単ではありません。
その点、スパトレ(SPTR)のレッスンの様子を録画した動画では、オペレーターの質問に自分が何と答えたか確認できます。
したがって、レッスンのときはうまく答えられなかったところを、どのように受け答えしたらよかったのか復習することができるわけです。
動画を確認して、質問にスムーズに答えられるようになるまで、ぜひ復習してください。
インプットしたことをアウトプットし、そこで学んだことをさらにインプットしていく、というサイクルを繰り返すことで着実に英語力を高めることができますよ。
まとめ
教科書で「英語を学ぶ」スタイルから、何かを「英語で学ぶ」スタイルに切り替えるために、TED Talkは最適な教材のひとつです。
第二言語習得論に基づく科学的な英語学習法にTED Talkを取り入れることによって、効果的に英単語を覚えたり、自分の意見を英語で伝えるトレーニングを行うことができます。
今回紹介したスパトレ(SPTR)では、7日間の無料トライアルを受けることができます。
◎7日間無料◎第二言語習得論に基づく英語トレーニング実際に、TED Talkを使ったトレーニングを試してみることもできるので、体験してみてはいかがですか?
私がスパトレ(SPTR)の無料トライアルを受けたときのことを紹介したレポートもあるので、興味のある人はこちらの記事も参考にしてください。
