
長い間、多くの英語学習者から親しまれてきたNHKラジオ講座「実践ビジネス英語」が、2021年3月で放送終了してしまいました。
ショックのあまり「杉田ロス」になってしまったファンの方も少なからずいるのではないでしょうか?
実は、私もその一人です。
私は、NHKラジオ講座の「基礎英語」からやり直し英語を始めました。
その後、徐々にレベルを上げていき、最終的に「実践ビジネス英語」を使って英語学習できるようになったときは、「ついにここまでたどり着くことができた」と感無量になりました。
そんな「実践ビジネス英語」がNHKラジオ講座のラインナップからなくなってしまったのは、本当に残念ですね。
しかし、ここで朗報です。
「実践ビジネス英語」は、装いを新たにムック本『杉田敏の現代ビジネス英語』として新登場しました。
年4回発行される季刊誌になりますが、2021年3月13日に第1弾となる春号が発売されたので早速購入しました。
そこで、今回は、『杉田敏の現代ビジネス英語』を実際に使ってみたレビューと効果的な学習法を紹介します。
「実践ビジネス英語」を使って学習していた人やこれからも杉田敏先生のレッスンを受けたい人は必見です!
季刊ムック本『杉田敏の現代ビジネス英語』が新登場
2021年3月13日、NHK出版から『音声DL BOOK 杉田敏の現代ビジネス英語』2021年春号が発売されました。
音声DL BOOK 杉田敏の 現代ビジネス英語 2021年 春号 (1) (語学シリーズ 音声DL BOOK) ムック
これは、年4回(3月、6月、9月、12月)発行される新シリーズの第1弾となります。
ラジオ番組からムック本へと形態は変わりましたが、基本的なコンセプトは、これまでのNHKラジオ講座「実践ビジネス英語」を受け継いでいます。
ビニェット(ミニドラマ)を通して、最新のトピックをテーマに英語を学ぶスタイルは健在です。
講師は、もちろん「実践ビジネス英語」の杉田敏先生が務めています。
各レッスンは、1つのテーマにつき、5回に分けて構成され、6回目は5回分のReviewとなっています。この構成は、「実践ビジネス英語」と同じですね。
本の構成もNHKラジオ講座「実践ビジネス英語」のテキストと同様、「Vignette」「Words and Phrases」「Word Watch」「Quote Unquote」となっています。
「Vignette」は、各テーマについてのミニドラマです。
左側ぺージに英語のスクリプト、右側ぺージに日本語訳が見開きで掲載されているので対比しやすいです。
「Words and Phrases」では、重要語句の意味を確認できます。
「Word Watch」では、ビニェット(ミニドラマ)に出てきた新しい表現やよく使われる表現が解説されています。
「Quote Unquote」は、金言・格言のコーナーです。
いずれもNHKラジオ講座「実践ビジネス英語」のテキストで学習してきた人にはお馴染みなので、違和感なく学習できると思います。
「Vignette」と「Words and Phrases」は、NHK出版サイトからスマホ、タブレット、パソコンなどに音声をダウンロードして聞くことができます。
CDが音声ダウンロードに変ったこと以外は、「実践ビジネス英語」のCD BOOKと基本的に同じなので、これまでと同様に学習できます。
ニューヨークを舞台にグローバルビジネスの最新トピックを学ぶ
新シリーズの主人公井出恭平は、ニューヨークに本社を置く世界的な消費財メーカーAlex&Alexで活躍するビジネスパーソンです。
『杉田敏の現代ビジネス英語』の各レッスンでは、グローバルに事業を展開している企業を舞台に、世界的な最新トピックがテーマとして取り上げられています。
ビニェット(ミニドラマ)の中で登場人物たちが繰り広げる会話には、新型コロナウィルスの影響も反映されています。
また、「多様性」が中核的な価値観として描かれています。
たとえば、Alex&Alexは、人種、ジェンダー、年齢、宗教、婚姻状況、身体能力などに関わりなく、多様な人材を採用しています。
そのため、井出恭平の同僚たちは、多種多彩な経歴や専門性を持っています。
対外的には、Diversity Marketingを推進しており、多様なターゲット市場ごとにマーケティング活動をより掘り下げて、きめ細かく情報発信しています。
『杉田敏の現代ビジネス英語』2021年春号には、以下の4つのレッスンが収録されています。
- The Power of Diversity(多様性の力)
- What’s in a Name? (名前がいったい何だというのか)
- Navigating the New Normal(ニューノーマルに対応する)
- Next-Generation Foods(次世代食料)
それぞれのテーマに関するボキャブラリーを学ぶことができるうえ、グローバルビジネスのトレンドを知ることができるなど、英語を学びながら教養を深めることができます。
まさに一石二鳥ですね。
『杉田敏の現代ビジネス英語』を使った効果的な学習法
どんな学習方法が効果的か?
『杉田敏の現代ビジネス英語』を使って学習する人は、中級者以上のレベルだと思うので、自分なりの学びのスタイルをお持ちの方が多いかもしれません。
したがって、「こうしなければならない」ということではありませんが、参考までに私の学習方法を紹介します。
私はこの方法を実践して、TOEICでリスニング満点取れたので、効果は実証済みです。
基本的な学習の流れは、以下の通りです。
①スクリプトを見ずに、音声を聞く
主に通勤途中に歩きながら、あるいは電車の中でやっています。
回数は特に決めていませんが、ある程度意味が理解できるようになるまで音声だけで聞いています。
②テキストでスクリプトを確認する
音声だけでは聞き取れなかったところを中心に、何と言っているかスクリプトを見て確認します。
③意味のわからない単語や表現をや確認して理解する
「Words and Phrases」や「Word Watch」を見て意味を理解します。
④音声を使ってシャドーイングする
音声から1秒程度遅れて同じ英文を発声します。
音声と同じように言えるようになることをめざして、自分が納得のいくまで、何度も繰り返して行います。
さらに、スピーキング力を高めたい場合は、①~④に加えて、以下のステップも取り入れることをおすすめします。
⑤音声を使ってリピーティングする
1つの英文の音声が終わったあとに、同じ英文をスクリプトを見ずに言います。
瞬間的に英文を記憶する必要があるので、シャドーイングより難易度が上がります。
⑥暗唱する
英文を暗唱します。
⑦リプロダクションする
英文を自分の言葉に置き換えて話せるようになるまで練習します。
暗唱できるようになっても、時間が経てば忘れます。
英語を話せるようになるには、暗記したことを思い出しながら話すのではなく、自分が言いたいことを自分の言葉で言えるようになることが重要です。
ここまでやる人は少ないと思いますが、やれば着実に力がつきますよ。
まとめ
NHKラジオ講座「実践ビジネス英語」は、残念ながら終了してしまいましたが、ムック本『杉田敏の現代ビジネス英語』が新登場しました。
コンセプトや構成は「実践ビジネス英語」を受け継いでおり、講師は杉田敏先生が担当しているので、同じレベルの質の高いレッスンが受けられます。
TOEIC800点以上や英検準1級以上など中級~上級の学習者がさらに英語力を高めるための教材としておすすめします。