
ファン待望の『ザ・ビートルズ:Get Back』が、2021年11月25日・26日・27日にディズニープラスで3話連続配信されます。
1969年1月にビートルズのレコーディング・セッションが撮影されて、57時間以上の未公開映像と150時間以上の未発表音源が残されていました。
これを『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督が、6時間を超える3部作のドキュメンタリー・シリーズとして復元・編集したのです。
ビートルズ最後のライブ・パフォーマンスになった伝説の「ルーフトップ・コンサート」も、42分間のノーカット完全版で公開されるとあっては必見ですね。
1969年1月に撮影された映像は、もともとはビートルズが事実上解散した直後の1970年に映画『レット・イット・ビー』として公開され、同名のアルバムも発売されています。
映画とアルバムのタイトルになっている『レット・イット・ビー』は、1970年3月にビートルズ最後のシングルとしてリリースされました。
ポール・マッカートニーが奏でるピアノの音が印象的な、ビートルズの楽曲の中でも特に人気が高い曲です。
今回は、ビートルズの名曲「Let it be」の意味をある有名な曲と対比して解説します。
「Let it be」は何という意味?
「Let it be」は、ビートルズ解散の危機にあったころ、ポールが、夢の中に現れた母メアリーに「あるがままにしておきなさい。うまくいくわよ」と励まされたことにインスピレーションを得て作られました。
歌詞の内容は、「僕が困っている時に、聖母マリアが現れて英知の言葉をささやいてくれる」というもの。
英知の言葉「Let it be」は、「あるがままにしておきなさい」という意味です。
なぜこんな意味になるのかは、ある有名な曲と対比するとわかりやすくなります。
その曲とは・・・アナ雪の「Let it go ありのままで」。
ディズニー映画「アナと雪の女王」の劇中歌として、世界中で大ヒットしましたね。
Let it go
Let it be
違うのはgoとbeの部分ですね。
日本語訳では「Let it go ありのままで」と「Let it be あるがままに」で似てるから、意味の違いがわかりにくいですよね。
letには、「やりたいようにすることを許す」や「望み通りにさせる」という許可や容認の意味があるんです。
なので、「Let it go」を直訳すると「それを行かせる」となります。
ここでの「it」は何を指しているのでしょうか?
「アナと雪の女王」のエルサは、今まで感情を抑えて、魔法の力を自分の中に閉じ込めて生きてきました。
この「it」は、抑えていた感情、隠していた本当の自分のことです。
つまり、「Let it go」は「抑えていた感情を開放して、本当の自分を解き放つこと」を意味しているんですね。
「これからは、自分の気持ちに素直に、自分らしく生きるのよ」とエルサは歌っています。
だから「ありのままで」と訳されているんですね。
それに対して、「Let it be」の「it」は、「現在の状況」を指しています。
「be」は「そのままでいる」という意味です。
困難な状況でも、何もしないで、そのままにしておく。
なので、こちらは「あるがままに」と訳されているんです。
動的な「go」に比べると「be」は動きがなくて静的ですね。
日本語訳では同じような意味に思えるけど、実は真逆の意味なんですね。
この歌詞には、「絶望の中にも希望はある」という啓示的なメッセージが込められているんです。
たった3語のシンプルな英語のフレーズだけど、とても味わい深いですね。
今回は、「Let it be」と「Let it go」を対比して、それぞれの意味を解説しました。
ビートルズの名曲をしっかり味わいながら、英語の理解を深めましょう。
ちなみに、シングルのプロデューサーはジョージ・マーティンだけど、アルバムにはフィル・スペクターがプロデュースした別バージョンが収められているので聴き比べてみてください。
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