
ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』が、2021年11月25日からディズニープラスで配信開始されました。
これは、1969年1月に撮影されたビートルズのレコーディング・セッションの映像と音源を、『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督が復元し、3部構成で編集したシリーズです。
このゲット・バック・セッションで演奏されたビートルズの名曲を楽しみながら、英語を学びましょう!
Part1は、セッション1日目から7日目に演奏された曲をピックアップして解説します。
【Part1】1日目~7日目
Don’t Let Me Down
「let~down」は、「~を失望させる」という意味です。
「Don’t let me down」は否定形なので、「僕をがっかりさせないでくれ」という意味になります。
ジョン・レノンがオノ・ヨーコに向けて作った曲で、1969年4月に発表されたシングル『Get Back』のB面に収録されています。
ビートルズ後期の名曲を集めたベスト・アルバム『THE BEATLES 1967 – 1970』にも収録されています。
I’ve Got A Feeling
「I’ve got」は、I haveのカジュアルな口語表現で、現在完了形ではありません。
つまり、「I’ve got a feeling = I have a feeling」です。
したがって、「ある感情をいだいている」、すなわち「感じてるんだ」という意味になります。
1970年5月に発表されたアルバム『レット・イット・ビー』の収録曲です。
Two of Us
「Two of us」は、「私たち二人」という意味で、ポール・マッカートニーがリンダとドライブに出かけた時に作った曲です。
ポールとリンダは、この二人とは自分たちのことだと語っています。
「私たちの中の二人」という意味にもなるので、ビートルズの中の二人、つまりポールとジョンのことだ、という解釈もあります。
アルバム『レット・イット・ビー』のオープニング曲です。
One After 909
この「one」は数字の「1」ではなく代名詞の「one」で、彼女が乗る列車のことを指しています。
数字の909は、ナイン・オー・ナインと読みます。
9時9分発、もしくは列車の運行番号を示す909号と考えられます。
したがって、「909の次の列車」という意味になります。
アルバム『レット・イット・ビー』の収録曲です。
Ob-La-Di, Ob-La-Da
「Ob-La-Di, Ob-La-Da」は、ナイジェリアのヨルバ語で「人生は続く」という意味ではないかと推測されています。
歌詞の中に出てくる英語のフレーズ「Life goes on.」と同じ意味ですね。
1968年11月に発表されたアルバム『ザ・ビートルズ』の収録曲です。
Gimme Some Truth
もともとの表記は「Give Me Some Truth」で、「真実を教えてください」という意味です。
邦題は、「真実がほしい」と訳されています。
人間の醜い争いから逃れたいという心境をつづった歌です。
ビートルズとしては未完成に終わり、1971年9月に発表されたジョンのソロ・アルバム『イマジン』に収録されました。
All Things Must Pass
「All things must pass」は、「すべてのものは過ぎ去っていく」という意味で、老子の『道徳経』の一節が基になっています。
ジョージ・ハリスンの作品で、1970年11月に発表された同名の彼のソロ・アルバムに収録されています。
I’m So Tired
「I’m so tired」は、「疲れ果てたよ」という意味です。
ジョンの作品で、インドに滞在していたころ、1日中瞑想をして不眠症になり、精神的に疲れた心情が歌われています。
アルバム『ザ・ビートルズ』の収録曲です。
Get Back
1969年4月にシングルとして発表され、大ヒットしたビートルズ後期の代表的なロック・ナンバー。
Get back to where you once belonged.
The beatles “Get Back”
サビの歌詞は、「かつて自分がいた場所に帰れ」という意味です。
ビートルズ解散を危惧したポールが、「もう一度原点に戻ってやり直そう」と他のメンバーに呼びかけています。
ビートルズのNo.1ソングを集めたベスト・アルバム『1』にも収録されています。
Maxwell’s Silver Hammer
アポストロフィ+sで所有格をつくるので、「マックスウェルの銀のかなづち」という意味になります。
1969年9月に発表されたアルバム『アビイ・ロード』の収録曲です。
Across the Universe
「Across the Universe」には、「宇宙を越えて」や「全宇宙に」といった意味があります。
Nothing’s gonna change my world.
The beatles “Across the Universe”
印象的なサビの歌詞は、「Nothing is going to change my world.」の口語表現で、「何があっても私の世界は変わらない」という意味になります。
詩的な歌詞について、ジョン自身が「最高傑作」と語っています。
アルバム『レット・イット・ビー』の収録曲です。
I Me Mine
「I Me Mine」は、「私は、私を、私のもの」という意味です。
これに「私の」という意味の「my」を付け加えたら英語の一人称代名詞の格変化を覚えられますね。
All through the day, I me mine.
The beatles “I Me Mine”
「一日中、私はどうだの、私にこうだの、私のものがああだの」と言っている周囲の人間の身勝手さ、エゴイズムを皮肉っています。
アルバム『レット・イット・ビー』に収録されたジョージの作品です。
The Long And Winding Road
「wind」には 「ネジなどを巻く」という意味もありますが、ここでは「曲がりくねる」という意味です。
「風」という意味の「wind」と同じつづりですが発音は違います。
The long and winding road that leads to your door will never disappear.
The beatles “The Long And Winding Road”
「君の扉へ続く、長く曲がりくねった道は決して消えることはない」とポールが切々と歌うビートルズ屈指のバラード。
アルバム『レット・イット・ビー』の収録曲です。
Golden Slumbers
「黄金の眠り」という意味の子守歌です。
アルバム『アビイ・ロード』の収録曲で、『Carry That Weight』とメドレーになっています。
Carry That Weight
You’re gonna carry that weight.
The beatles “Carry That Weight”
サビの歌詞は、「You are going to carry that weight.」の口語表現で、「君はその重荷を背負っていくんだ」という意味になります。
ポールが、「この圧迫に耐えるんだ」と自身を鼓舞するために書いた曲です。
For You Blue
「Blue」は、もともとのタイトルでは「Blues」だったようなので、「君のためのブルース」という意味になります。
ジョージの作品で、アルバム『レット・イット・ビー』に収録されています。
She Came In Through The Bathroom Window
「She came in through the bathroom window.」は、「彼女は浴室の窓から入ってきた」という意味です。
留守中にファンが自宅に忍び込んだエピソードをもとにポールが書いた曲で、アルバム『アビイ・ロード』に収録されています。
Let It Be
「Let it be」は、困っている時に聖母マリアが現れてささやいてくれる英知の言葉で、「あるがままに」という意味です。
ポールの夢の中に母メアリーが現れて「あるがままにしておきなさい」と励まされたことにインスピレーションを得て作られたビートルズの代表曲。
1970年3月にシングルとして発表され、アルバム『レット・イット・ビー』のタイトル曲にもなっています。
セッション7日目 ジョージ・ハリスンがビートルズを脱退
セッション7日目、ジョンとポールの態度に嫌気がさしたジョージは、ビートルズを脱退すると告げて、リハーサルの途中でスタジオを去ってしまいます。
ビートルズ解散が噂されていた時期に、最悪の事態を迎えてしまったところでパート・ワンが終わります。
次回は、「ザ・ビートルズ:Get Back」Part2で英語を楽しく学びましょう。